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: (open ''filename'' ''mode'') | : (open ''filename'' ''mode'') | ||
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; 機能 | ; 機能 | ||
: LISPの入出力関数がアクセスできるようにファイルを開く。 | : LISPの入出力関数がアクセスできるようにファイルを開く。 | ||
: BricsCAD の LISP では、UTFおよびユニコード形式のテキストファイルの作成/読み取り/書き込みが可能なように拡張されている。(V17以降) | |||
: これは、クロスプラットフォーム開発(Linux + OSX)、または特殊な目的(例:HTMLファイルの読み込みと書き込み)に便利。 | |||
: AutoLISPとの後方互換性を保つために、mode引数はUTF/Unicode形式を指定するように拡張された。 | |||
; 引数 | ; 引数 | ||
:* filename : 開くファイルの名前と拡張子を指定する文字列。ファイルの完全パスを指定しなかった場合、スタートアップディレクトリを指定したものとみなされる。 | :* filename : 開くファイルの名前と拡張子を指定する文字列。ファイルの完全パスを指定しなかった場合、スタートアップディレクトリを指定したものとみなされる。 | ||
:* mode : ファイルを読み込みモード、書き出しモード、追加モードのいずれで開くかを指定する。次の文字のいずれか 1 つを含む文字列を指定する。 | :* mode : ファイルを読み込みモード、書き出しモード、追加モードのいずれで開くかを指定する。次の文字のいずれか 1 つを含む文字列を指定する。 | ||
::* r : 読み込みモードで開く。 | ::* r : 読み込みモードで開く。 | ||
::* w : 書き出しモードで開く。filename 引数のファイルが存在しない場合、新しいファイルが作成、開かれる。ファイルが存在する場合、既存データが上書きされる。開いたファイルに渡されたデータは、close 関数でそのファイルを閉じるまで、実際には書き出されない。 | ::* w : 書き出しモードで開く。filename 引数のファイルが存在しない場合、新しいファイルが作成、開かれる。ファイルが存在する場合、既存データが上書きされる。開いたファイルに渡されたデータは、close 関数でそのファイルを閉じるまで、実際には書き出されない。 | ||
::* a : 追加モードで開く。filename 引数のファイルが存在しない場合、新しいファイルが作成、開かれる。ファイルが存在する場合、開いた後ポインタが既存のデータの終わりに移動するので、ファイルに書き出される新しいデータは既存のデータの後ろに追加される。 | ::* a : 追加モードで開く。filename 引数のファイルが存在しない場合、新しいファイルが作成、開かれる。ファイルが存在する場合、開いた後ポインタが既存のデータの終わりに移動するので、ファイルに書き出される新しいデータは既存のデータの後ろに追加される。 | ||
::* 注:mode 引数は、小文字でなければならない。 (今後のリリースで変更されるかも) | ::* 注:mode 引数は、小文字でなければならない。 (今後のリリースで変更されるかも) | ||
::* '''BricsCAD V17以降の場合:''' | |||
::: r,ccs=<translation> : 文字コードを指定して読み込みモードで開く。 | |||
::: w,ccs=<translation> : 文字コードを指定して書き出しモードで開く。 | |||
:::* <translation> は、UTF-8, UTF-16LE, UNICODE [=UTF-16LE] が指定できる。 | |||
::* BricsCADでは、「バイナリ」モードのファイルを開くことができる。 | |||
:::* rb : バイナリ読み込みモードで開く | |||
:::* wb : バイナリ書き出しモードで開く | |||
:::* ab : バイナリ追加モードで開く | |||
::: モードは、"バイナリ "モードを指定するために使用することができる。 文字は変換されないが、"そのまま "書き込まれる。 | |||
; 戻り値 | ; 戻り値 | ||
: ファイルを正常に開くことができた場合、他の入出力関数で使用可能なファイル ディスクリプタを返す。 | : ファイルを正常に開くことができた場合、他の入出力関数で使用可能なファイル ディスクリプタを返す。 | ||
: モード "r" が指定され、filename 引数のファイルが存在しない場合、 nil を返す。 | : モード "r" が指定され、filename 引数のファイルが存在しない場合、 nil を返す。 | ||
: 注: DOS システムの場合、プログラムやテキストエディタによってはテキスト ファイルの終端を示す EOF 記号([Ctrl]+[Z]、10 進 ASCII コード 26)が書き出される場合がある。テキスト ファイルを読み込むときに[Ctrl]+[Z] があると、その後にさらにデータが存在する場合でも DOS はファイルの終端とみなす。他のプログラムが作成したファイルに open 関数の "a" モードを使用してデータを追加する場合、テキスト ファイルの終わりに [Ctrl]+[Z] が挿入されていないかどうかを確認する。 | : 注: DOS システムの場合、プログラムやテキストエディタによってはテキスト ファイルの終端を示す EOF 記号([Ctrl]+[Z]、10 進 ASCII コード 26)が書き出される場合がある。テキスト ファイルを読み込むときに[Ctrl]+[Z] があると、その後にさらにデータが存在する場合でも DOS はファイルの終端とみなす。他のプログラムが作成したファイルに open 関数の "a" モードを使用してデータを追加する場合、テキスト ファイルの終わりに [Ctrl]+[Z] が挿入されていないかどうかを確認する。 | ||
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: 次のように、既存のファイルを開く。 | : 次のように、既存のファイルを開く。 | ||
<pre class="brush: autolisp;"> | <pre class="brush: autolisp;"> | ||
(setq | (setq myfile "c:/program files/<CADインストールディレクトリ>/help/filelist.txt") | ||
(setq a (open myfile "r")) | |||
#<file "c:/program files/<CADインストールディレクトリ>/help/filelist.txt"> | #<file "c:/program files/<CADインストールディレクトリ>/help/filelist.txt"> | ||
; BricsCAD V17 以降のキャラクターコード指定したケース | |||
(setq fptr (open myFile "r,ccs=UNICODE")) | |||
(setq fptr (open myFile "w,ccs=UTF-8")) | |||
(setq fptr (open myFile "w,ccs=UTF-16LE")) | |||
</pre> | </pre> | ||
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* [[close]] 関数 | * [[close]] 関数 | ||
* [[findfile]] 関数 | * [[findfile]] 関数 | ||
* [[write-line]] 関数 | |||
* [[read-line]] 関数 | |||
* [[vle-file-encoding]] 関数(BricsCAD) | |||
[[Category:AutoLISP]] | [[Category:AutoLISP]] |
2022年12月10日 (土) 22:05時点における最新版
- 構文
- (open filename mode)
- 機能
- LISPの入出力関数がアクセスできるようにファイルを開く。
- BricsCAD の LISP では、UTFおよびユニコード形式のテキストファイルの作成/読み取り/書き込みが可能なように拡張されている。(V17以降)
- これは、クロスプラットフォーム開発(Linux + OSX)、または特殊な目的(例:HTMLファイルの読み込みと書き込み)に便利。
- AutoLISPとの後方互換性を保つために、mode引数はUTF/Unicode形式を指定するように拡張された。
- 引数
-
- filename : 開くファイルの名前と拡張子を指定する文字列。ファイルの完全パスを指定しなかった場合、スタートアップディレクトリを指定したものとみなされる。
- mode : ファイルを読み込みモード、書き出しモード、追加モードのいずれで開くかを指定する。次の文字のいずれか 1 つを含む文字列を指定する。
- r : 読み込みモードで開く。
- w : 書き出しモードで開く。filename 引数のファイルが存在しない場合、新しいファイルが作成、開かれる。ファイルが存在する場合、既存データが上書きされる。開いたファイルに渡されたデータは、close 関数でそのファイルを閉じるまで、実際には書き出されない。
- a : 追加モードで開く。filename 引数のファイルが存在しない場合、新しいファイルが作成、開かれる。ファイルが存在する場合、開いた後ポインタが既存のデータの終わりに移動するので、ファイルに書き出される新しいデータは既存のデータの後ろに追加される。
- 注:mode 引数は、小文字でなければならない。 (今後のリリースで変更されるかも)
- BricsCAD V17以降の場合:
- r,ccs=<translation> : 文字コードを指定して読み込みモードで開く。
- w,ccs=<translation> : 文字コードを指定して書き出しモードで開く。
- <translation> は、UTF-8, UTF-16LE, UNICODE [=UTF-16LE] が指定できる。
- BricsCADでは、「バイナリ」モードのファイルを開くことができる。
- rb : バイナリ読み込みモードで開く
- wb : バイナリ書き出しモードで開く
- ab : バイナリ追加モードで開く
- モードは、"バイナリ "モードを指定するために使用することができる。 文字は変換されないが、"そのまま "書き込まれる。
- 戻り値
- ファイルを正常に開くことができた場合、他の入出力関数で使用可能なファイル ディスクリプタを返す。
- モード "r" が指定され、filename 引数のファイルが存在しない場合、 nil を返す。
- 注: DOS システムの場合、プログラムやテキストエディタによってはテキスト ファイルの終端を示す EOF 記号([Ctrl]+[Z]、10 進 ASCII コード 26)が書き出される場合がある。テキスト ファイルを読み込むときに[Ctrl]+[Z] があると、その後にさらにデータが存在する場合でも DOS はファイルの終端とみなす。他のプログラムが作成したファイルに open 関数の "a" モードを使用してデータを追加する場合、テキスト ファイルの終わりに [Ctrl]+[Z] が挿入されていないかどうかを確認する。
- サンプル
- 次のように、既存のファイルを開く。
(setq myfile "c:/program files/<CADインストールディレクトリ>/help/filelist.txt") (setq a (open myfile "r")) #<file "c:/program files/<CADインストールディレクトリ>/help/filelist.txt"> ; BricsCAD V17 以降のキャラクターコード指定したケース (setq fptr (open myFile "r,ccs=UNICODE")) (setq fptr (open myFile "w,ccs=UTF-8")) (setq fptr (open myFile "w,ccs=UTF-16LE"))
- 次の例は、存在しないファイルに対して open 関数を実行している。
(setq f (open "c:¥¥my documents¥¥new.tst" "w")) #<file "c:¥¥my documents¥¥new.tst"> (setq f (open "nosuch.fil" "r")) nil (setq f (open "logfile" "a")) #<file "logfile">
関連事項
- close 関数
- findfile 関数
- write-line 関数
- read-line 関数
- vle-file-encoding 関数(BricsCAD)