日影
日影規制についてのメモ
概要
- 日影規制は、建築基準法第56条の2 (日影による中高層の建築物の高さの制限)で定められている。
- 地方公共団体の条例により、規制対象区域と規制値等を決定し、敷地境界線から一定の範囲に、一定時間以上の日影を生じさせないよう規制することにより、周囲の日照の確保を目的としている規制。(ただし、特定行政庁が土地の状況等により周囲の居住環境を害するおそれがないと認めて建築審査会の同意を得て許可した場合は、当該規定を適用除外とすることができる。)
- 規制対象は、高さが10メートルを超える建物。第一種低層住居専用地域の場合は、軒の高さが 7メートルを超える建物又は地階を除く階数が3以上の建物が対象になる。
- 日照を確保するための規制だが、日照権とは別物で基本関係ない。
- 日影規制の作成と絡んで天空図を作成することがあるが、天空図は日影規制とは関係なく、高さ制限(道路斜線・隣地斜線・北側斜線)に絡んだ緩和の制度。
法令引用 - 2021/08/23 時点 (日影による中高層の建築物の高さの制限) 第五十六条の二 別表第四(い)欄の各項に掲げる地域又は区域の全部又は一部で地方公共団体の条例で指定する区域(以下この条において「対象区域」という。)内にある同表(ろ)欄の当該各項(四の項にあつては、同項イ又はロのうちから地方公共団体がその地方の気候及び風土、当該区域の土地利用の状況等を勘案して条例で指定するもの)に掲げる建築物は、冬至日の真太陽時による午前八時から午後四時まで(道の区域内にあつては、午前九時から午後三時まで)の間において、それぞれ、同表(は)欄の各項(四の項にあつては、同項イ又はロ)に掲げる平均地盤面からの高さ(二の項及び三の項にあつては、当該各項に掲げる平均地盤面からの高さのうちから地方公共団体が当該区域の土地利用の状況等を勘案して条例で指定するもの)の水平面(対象区域外の部分、高層住居誘導地区内の部分、都市再生特別地区内の部分及び当該建築物の敷地内の部分を除く。)に、敷地境界線からの水平距離が五メートルを超える範囲において、同表(に)欄の(一)、(二)又は(三)の号(同表の三の項にあつては、(一)又は(二)の号)のうちから地方公共団体がその地方の気候及び風土、土地利用の状況等を勘案して条例で指定する号に掲げる時間以上日影となる部分を生じさせることのないものとしなければならない。ただし、特定行政庁が土地の状況等により周囲の居住環境を害するおそれがないと認めて建築審査会の同意を得て許可した場合又は当該許可を受けた建築物を周囲の居住環境を害するおそれがないものとして政令で定める位置及び規模の範囲内において増築し、改築し、若しくは移転する場合においては、この限りでない。 2 同一の敷地内に二以上の建築物がある場合においては、これらの建築物を一の建築物とみなして、前項の規定を適用する。 3 建築物の敷地が道路、川又は海その他これらに類するものに接する場合、建築物の敷地とこれに接する隣地との高低差が著しい場合その他これらに類する特別の事情がある場合における第一項本文の規定の適用の緩和に関する措置は、政令で定める。 4 対象区域外にある高さが十メートルを超える建築物で、冬至日において、対象区域内の土地に日影を生じさせるものは、当該対象区域内にある建築物とみなして、第一項の規定を適用する。 5 建築物が第一項の規定による日影時間の制限の異なる区域の内外にわたる場合又は建築物が、冬至日において、対象区域のうち当該建築物がある区域外の土地に日影を生じさせる場合における同項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
規制緩和
建築物の敷地が、道路、水面、線路敷等に接する場合に敷地境界線を外側に広げて考えていいよっていう緩和。
- 当該道路等に接する敷地境界線は、当該道路等の幅の2分の1だけ外側にあるものとみなしていい。
- 当該道路等の幅が 10m を超える場合には、当該道路等の反対側の境界線から当該敷地の側に 5m の線を敷地境界線とみなしていい。
測定方法
- 敷地境界線から 5~10m の範囲のに落ちる建物の日影時間を測る。
- 影が一番長くなる冬至の8時から16時の8時間で、1時間ないし30分毎で影になる部分で作成する、
- 北を0度として考えるが、磁北ではなく真北時で考える。(ので、12時からちょっとずれる。)
- 規制日影時間(影になっている時間)は、用途地域により 3,4,5 時間。
日影時間を測る高さ(測定面)
規制する日影は、実際の地表に落ちる日影ではなく、平均地盤面から地域によって決められた高さの水平面に落ちる日影時間で測る。
- 第一種低層住居専用地域: 1.5m (1階の窓に相当する高さ)
- その他の地域では 4m(2階の窓に相当する高さ)または 6.5m の高さ (自治体毎で決められている)
- 傾斜地で建築計画上、平均地盤面が複数あるような場合も1つの平均地盤面で考える。
太陽高度の扱い
- 市町村の自治体ごとに扱いが違うので調べる必要がある。大体自治体のウェブサイトに載ってる。(時間ごとに影の倍率を出しているところもある。)
- 計算して算出したい場合は、場所の太陽高度は国立天文台のサイトにあるこよみの計算で調べられる。>> [1]